12
バスースより不吉だ 2
قَالَ ثُمَّ قَوَّضُوا ٱلْأَبْنِيَةَ وَجَمَعُوا ٱلنَّعَمَ |
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語り手は言った。そして彼らはテントを取り壊し、羊や |
وَٱلْخُيُولَ وَأَزْمَعُوا لِلرَّحِيلِ |
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馬を集めて旅立ちを決めた。 |
وَكَانَ هَمَّامُ بْنُ مُرَّةَ أَخُو جَسَّاسٍ نَدِيمًا |
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ジャッサースの兄弟ハンマーム・ブン・ムッラは、クライブ |
لِمُهَلْهِلِ بْنِ رَبِيعَةَ أَخِى كُلَيْبٍ |
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の兄弟ムハルヒル・ブン・ラビーアの飲み仲間だった。 |
فَبَعَثُوا جَارِيَةً لَهُمْ إِلَى هَمَّامٍ لِتُعْلِمَهُ ٱلْخَبَرَ |
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彼ら(ジャッサースの一族)はその知らせをハンマームに伝えるために侍女を使いにやり、 |
وَأَمَرُوهَا أَنْ تُسِرَّهُ مِنْ مُهَلْهِلٍ |
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ムハルヒルには秘密にするよう彼女に命じた。 |
فَأَتَتْهُمَا ٱلْجَارِيَةُ وَهُمَا عَلَى شَرَابِهِمَا |
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侍女は2人のところへ来た。2人は飲んでいる最中だった。 |
فَسَارَّتْ هَمَّامًا بِٱلَّذِى كَانَ مِنَ ٱلْأَمْرِ |
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彼女は起こった出来事をハンマームに密かに告げた。 |
فَلَمَّا رَأَى ذٰلِكَ مُهَلْهِلٌ سَأَلَ هَمَّامًا عَمَّا |
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ムハルヒルはそれを見ると、ハンマームに、侍女が何を |
قَالَتِ ٱلْجَارِيَةُ |
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言ったのか尋ねた。 |
وَكَانَ بَيْنَهُمَا عَهْدُ أَنْ لَا يَكْتُمَ أَحَدُهُمَا |
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2人の間には互いに秘密を隠さないという約束が |
صَاحِبَهُ شَيْئًا |
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あった。 |
فَقَالَ لَهُ أَخَبَرَتْنِى أَنَّ أَخِى قَتَلَ أَخَاكَ |
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ハンマームは彼に言った。私の兄弟があなたの兄弟を殺したと彼女は私に告げたのだ。 |
قَالَ مُهَلْهِلٌ أَخُوكَ أَضْيَقُ ٱسْتًا مِنْ ذٰلِكَ |
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ムハルヒルは言った。あなたの兄弟は狭量でそんなことはできない。(直訳:それをするより尻が狭い) |
وَسَكَتَ هَمَّامٌ وَأَقْبَلَا عَلَى شَرَابِهِمَا |
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ハンマームは沈黙し、2人は飲むことに専念した。 |
فَجَعَلَ مُهَلْهِلٌ يَشْرَبُ شُرْبَ ٱلْآمِنِ |
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ムハルヒルは安心しきって飲み始め、 |
وَهَمَّامٌ يَشْرَبُ شُرْبَ ٱلْخَائِفِ |
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ハンマームは怖れを抱いて飲み始めた。 |
فَلَمْ تَلْبَثِ ٱلْخَمْرُ مُهَلْهِلًا أَنْ صَرَعَتْهُ |
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まもなく酒がムハルヒルを酔いつぶさせた。 |
فَٱنْسَلَّ هَمَّامٌ فَرَأَى قَوْمَهُ وَقَدْ تَحَمَّلُوا |
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ハンマームはこっそり出た。そして部族の者が出発したのを見て、 |
فَتَحَمَّلَ مَعَهُمْ |
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彼らと共に出発した。 |
وَظَهَرَ أَمْرُ كُلَيْبٍ فَقَالَ مُهَلْهِلٌ لِنِسْوَتِهِ |
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クライブのことが明らかになり、ムハルヒルは女達に言った。 |
مَا دَهَاكُنَّ قُلْنَ ٱلْعَظِيمُ مِنَ ٱلْأَمْرِ قَتَلَ |
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お前達に何がふりかかったのか。彼女らは言った。大変なことです。 |
جَسَّاسٌ كُلَيْبًا |
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ジャッサースがクライブを殺しました。 |
وَنَشِبَ ٱلشَّرُّ بَيْنَ تَغْلِبَ وَبَكْرٍ أَرْبَعِينَ سَنَةً |
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タグリブ族とバクル族の間に災いが勃発し、40年続いて |
كُلُّهَا يَكُونُ لِتَغْلِبَ عَلَى بَكْرٍ |
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その間ずっとタグリブ族がバクル族に対して優勢だった。 |
وَكَانَ ٱلْحَارِثُ بْنُ عُبَادٍ ٱلْبَكْرِىُّ قَدِ ٱعْتَزَلَ |
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バクル族のハーリス・ブン・ウバードは部族から |
ٱلْقَوْمَ |
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孤立していた。 |
فَلَمَّا ٱسْتَحَرَّ ٱلْقَتْلُ فِى بَكْرٍ ٱجْتَمَعُوا إِلَيْهِ |
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バクル族で死者が数多くなったとき、彼らはハーリスのもとに集まり、 |
وَقَالُوا قَدْ فَنِىَ قَوْمُكَ |
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言った。あなたの部族が滅びてしまう。 |
فَأَرْسَلَ إِلَى مُهِلْهِلٍ بُجَيْرًا ٱبْنَهُ وَقَالَ |
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そこで彼はムハルヒルのところに息子のブジャイルを使いに出し、言った。 |
قُلْ لَهُ أَبُو بُجَيْرٍ يُقْرِئُكَ ٱلسَّلَامَ وَيَقُولُ لَكَ |
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彼に言いなさい。ブジャイルの父はあなたに挨拶を送り、次のように言っていますと。 |
قَدْ عَلِمْتَ أَنِّى ٱعْتَزَلْتُ قَوْمِى لِأَنَّهُمْ |
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あなたは私が部族から孤立したのを知っているでしょう、なぜなら彼らは |
ظَلَمُوكَ وَخَلَّيْتُكَ وَإِيَّاهُمْ |
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あなたに無謀を行ったからです。私はあなたにも彼らにも干渉しませんでした。 |
وَقَدْ أَدْرَكْتَ وِتْرَكَ فَأَنْشُدُكَ ٱللهَ فِى قَوْمِكَ |
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あなたは既に復讐を遂げました。私は神かけてあなたの部族と話し合ってくださるようあなたにお願いします、 |
فَأَتَى بُجَيْرٌ مُهَلْهِلًا وَهُوَ فِى قَوْمِهِ فَأَبْلَغَهُ |
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そしてブジャイルは、部族を率いていたムハルヒルのところに来て |
ٱلرِّسَالَةَ |
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伝言を伝えた。 |
فَقَالَ مَنْ أَنْتَ يَا غُلَامُ |
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ムハルヒルは言った。少年よ、お前は誰だ。 |
قَالَ بُجَيْرُ بْنُ ٱلْحَارِثِ بْنِ عُبَادٍ |
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彼は言った。ハーリス・ブン・ウバードの子ブジャイルです。 |
فَقَتَلَهُ ثُمَّ قَالَ بُؤْ1 بِشِسْعِ كُلَيْبٍ |
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するとムハルヒルは彼を殺して言った。クライブの靴ひもの代償となれ。 |
فَلَمَّا بَلَغَ ٱلْحَارِثَ فِعْلُهُ قَالَ نِعْمَ ٱلْقَتِيلُ |
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彼のしたことがハーリスに伝わると、ハーリスは言った。 |
بُجَيْرٌ إِنْ أَصْلَحَ بَيْنَ هٰذَيْنِ ٱلْغَارَيْنِ قَتْلُهُ |
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ブジャイルは何と立派に死んだことか、彼の死でこの |
وَسَكَنَتِ ٱلْحَرْبُ بِهِ |
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二つの軍が調停され、戦いが収まったとしたなら。 |
وَكَانَ ٱلْحَارِثُ مِنْ أَحْلَمِ ٱلنَّاسِ فِى زَمَانِهِ |
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ハーリスはその時代の最も寛大な人物の1人だった。 |
فَقِيلَ لَهُ إِنَّ مُهَلْهِلًا قَالَ لَهُ حِينَ قَتَلَهُ بُؤْ |
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しかし、ムハルヒルがブジャイルを殺したときに、クライブの靴ひもの代償となれと言ったことを |
بِشِسْعِ كُلَيْبٍ |
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聞かされた。 |
فَلَمَّا سَمِعَ هٰذَا خَرَجَ مَعَ بَنِى بَكْرٍ مُقَاتِلًا |
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これを聞くと彼はバクル族の者達と共に出かけた。ムハルヒルやタグリブ族の者達と戦い、 |
مُهَلْهِلًا وَبَنِى تَغْلِبَ ثَائِرًا بِبُجَيْرٍ |
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ブジャイルの復讐をするために。 |
وَأَنْشَأَ يَقُولُ |
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そして詩を詠んだ。 |
قَرِّبَا مَرْبِطَ ٱلنَّعَامَةِ مِنِّى |
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私をナアーマの馬小屋に近づけよ |
إِنَّ بَيْعَ ٱلْكَرِيمِ بِٱلشِّسْعِ غَالِى |
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高貴な人は靴ひもで売るには高すぎる |
قَرِّبَا مَرْبِطَ ٱلنَّعَامَةِ مِنِّى |
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私をナアーマの馬小屋に近づけよ |
لَقِحَتْ حَرْبُ وَائِلٍ عَنْ حِيَالِ |
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不毛の後にワーイル族同士の戦いが災いをはらんだ (タグリブとバクルはどちらもワーイル族の支族) |
لَمْ أَكُنْ مِنْ جُنَاتِهَا عَلِمَ ٱللّٰـــــهُ2 |
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私は(戦いの)罪を犯していない、神がご存じだ |
وَإِنِّى بِشَرِّهَا ٱلْيَوْمَ صَالِى |
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私は今日、災いのためにやけどをしただけである |
وَيُرْوَى بِحَرِّهَا |
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一説にはبشرها (災いのため)ではなくبحرها (熱のために)と伝えられる。 |
وَٱلنَّعَامَةُ فَرَسُ ٱلْحَارِثِ وَكَانَ يُقَالُ |
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「ナアーマ」はハーリスの馬で、彼はナアーマに乗る人と |
فَارِسُ ٱلنَّعَامَةِ |
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呼ばれていた。 |
ثُمَّ جَمَعَ قَوْمَهُ وَٱلْتَقَى وَبَنُو تَغْلِبَ عَلَى |
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そして彼は部族を集め、彼とタグリブ族はキダと言われる |
جَبَلٍ يُقَالُ قِضَةُ فَهَزَمَهُمْ وَقَتَلَهُمْ وَلَمْ |
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山で遭遇し、彼は彼らを敗走させ、彼らを殺した。彼らは |
يَقُومُوا لِبَكْرٍ بَعْدَهَا |
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その後、バクル族に対抗できなかった。 |
1 完了形はباء |
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2 الله のهُ は下半句になる。 |
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