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棒は小さな棒から 1
إِنَّ ٱلْعَصَا مِنَ ٱلْعُصَيَّةِ |
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「棒は小さな棒から」 |
قَالَ ٱلْمُفَضَّلُ أَوَّلُ مَنْ قَالَ ذٰلِكَ ٱلْأَفْعَى |
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ムファッダルが言うには、それを最初に言ったのはアフアー(マムシの意)・ジュルフミーであり、 |
ٱلْجُرْهُمِىُّ وَذٰلِكَ أَنَّ نِزَارًا لَمَّا حَضَرَتْهُ |
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それはこうである。ニザールが死に臨んだとき |
ٱلْوَفَاةُ جَمَعَ بَنِيهِ مُضَرَ وَإِيَادًا وَرَبِيعَةَ |
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息子たちのムダル、イヤード、ラビーア、アンマールを |
وَأَنْمَارًا |
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集めた。 |
فَقَالَ يَا بَنِىَّ هٰذِهِ ٱلْقُبَّةُ ٱلْحَمْرَاءُ وَكَانَتْ |
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そして言った。息子達よ、この赤い丸いテントは―それは |
مِنْ أَدَمٍ لِمُضَرَ |
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皮でできていた―ムダルのものである。 |
وَهٰذَا ٱلْفَرَسُ ٱلْأدْهَمُ وَٱلْخِبَاءُ ٱلْأَسْوَدُ |
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この黒馬と黒いテントは |
لِرَبِيعَةَ |
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ラビーアのものである。 |
وَهٰذِهِ ٱلْخَادِمُ وَكَانَتْ شَمْطَاءَ لِإِيَادٍ |
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この下女―白黒まだらの髪だった―はイヤードのものである。 |
وَهٰذِهِ ٱلْبَدْرَةُ وَٱلْمَجْلِسُ لِأَنْمَارٍ يَجْلِسُ فِيهِ |
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この財布と部屋はアンマールのもの―そこに彼はいつも座っていた―である。 |
فَإِنْ أَشْكَلَ عَلَيْكُمْ كَيْفَ تَقْتَسِمُونَ فَأْتُوا1 |
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もし、どのように分配するかが曖昧ならば、アフアー・ |
ٱلْأَفْعَى ٱلْجُرْهُمِىَّ وَمَنْزِلُهُ بِنَجْرَانَ |
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ジュルフミーのところへ行け。彼の家はナジュラーンにあった。 |
فَتَشَاجَرُوا فِى مِيرَاثِهِ فَتَوَجَّهُوا إِلَى ٱلْأَفْعَى |
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彼らは遺産について議論した。そして、アフアー・ジュルフ |
ٱلْجُرْهُمِىِّ |
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ミーのところへ向かった。 |
فَبَيْنَا هُمْ فِى مَسِيرِهِمْ إِلَيْهِ إِذَا رَأَى مُضَرُ |
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彼らが彼のところへ行く途中で、突然、ムダルは |
أَثَرَ كَلَأٍ قَدْ رُعِىَ |
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獣に食べられた草の跡を見て |
فَقَالَ إِنَّ ٱلْبَعِيرَ ٱلَّذِى رَعَى هٰذَا لَأَعْوَرُ |
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言った。これを食べたラクダは 片目である。 |
قَالَ رَبِيعَةُ إِنَّهُ لَأَزْوَرُ |
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ラビーアは言った。それは体がゆがんでいる。 |
قَالَ إِيَادٌ إِنَّهُ لَأَبْتَرُ |
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イヤードは言った。それは尾がほとんどない。 |
قَالَ أَنْمَارٌ إِنَّهُ لَشَرُودٌ |
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アンマールは言った。それはものおじする。 |
فَسَارُوا قَلِيلًا فَإِذَا هُمْ بِرَجُلٍ يُوضِعُ جَمَلَهُ |
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彼らが少し進むと、ふいにラクダを進ませている男に出会った。 |
فَسَأَلَهُمْ عَنِ ٱلْبَعِيرِ |
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彼は彼らにラクダについて尋ねた。 |
فَقَالَ مُضَرُ أَهُوَ أَعْوَرُ قَالَ نَعَمْ |
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ムダルが言った。それは片目か。彼は言った。そうだ。 |
قَالَ رَبِيعَةُ أَهُوَ أَزْوَرُ قَالَ نَعَمْ |
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ラビーアが言った。体がゆがんでいるか。 |
قَالَ إِيَادٌ أَهُوَ أَبْتَرُ قَالَ نَعَمْ |
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イヤードが言った。尾がほとんどないか。 |
قَالَ أَنْمَارٌ أَهُوَ شَرُودٌ قَالَ نَعَمْ وَهٰذِهِ |
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アンマールが言った。ものおじするか。 |
وَٱللهِ صِفَةُ بَعِيرِى فَدُلُّونِى عَلَيْهِ |
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神かけて、私のラクダの特徴だ、 |
قَالُوا وَٱللهِ مَا رَأَيْنَاهُ |
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彼らは言った。神かけて、私達はそれを見なかった。 |
قَالَ هٰذَا وَٱللهِ ٱلْكَذِبُ وَتَعَلَّقَ بِهِمْ |
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彼は言った。これは全く嘘そのものだ。 |
وَقَالَ كَيْفَ أُصَدِّقُكُمْ وَأَنْتُمْ تَصِفُونَ |
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言った。どうしてあなたがたの言うことを信じようか、 |
بَعِيرِى بِصِفَتِهِ |
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あなたがたは私のラクダの特徴を述べているのに。 |
فَسَارُوا حَتَّى قَدِمُوا نَجْرَانَ |
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彼らは進み、やがてナジュラーンに着いた。 |
فَلَمَّا نَزَلُوا نَادَى صَاحِبُ ٱلْبَعِيرِ هٰؤُلَاءِ |
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彼らが落ち着くと、ラクダの持ち主は叫んだ。 |
أَصْحَابُ جَمَلِى وَصَفُوا لِى صِفَتَهُ ثُمَّ |
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私のラクダを取った。私のラクダの特徴を述べたのに、 |
قَالُوا لَمْ نَرَهُ |
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それを見なかったと言った。 |
فَٱخْتَصَمُوا إِلَى ٱلْأَفْعَى وَهُوَ حَكَمُ ٱلْعَرَبِ |
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彼らは言い争ってアフアーのところへ来た。彼はアラブの審判者だった。 |
فَقَالَ ٱلْأَفْعَى كَيْفَ وَصَفْتُمُوهُ وَلَمْ تَرَوْهُ |
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アフアーは言った。あなたがたはラクダを見もしないのに、どのようにしてその特徴を述べたのか。 |
فَقَالَ مُضَرُ رَأَيْتُهُ رَعَى جَانِبًا وَتَرَكَ جَانِبًا |
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ムダルは言った。私はそれが片側の草を食べ片側は残しているのを見て |
فَعَلِمْتُ أَنَّهُ أَعْوَرُ |
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それが片目だと知った。 |
قَالَ رَبِيعَةُ رَأَيْتُ إِحْدَى يَدَيْهِ ثَابِتَةَ ٱلْأَثَرِ |
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ラビーアは言った。私はその一方の前足は足跡がはっきりしているのに |
وَٱلْأُخْرَى فَاسِدَةً فَعَلِمْتُ أَنَّهُ أَزْوَرُ لِأَنَّهُ |
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もう一方は(足跡が)崩れているのを見て、体がゆがんでいると知った。 |
أَفْسَدَهُ بِشِدَّةِ وَطْئِهِ |
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一方の足で強く踏むために足跡を崩したのだ。 |
قَالَ إِيَادٌ عَرَفْتُ أَنَّهُ أَبْتَرُ بِٱجْتِمَاعِ بَعْرِهِ |
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イヤードは言った。私はその糞が集まっているので、尾がほとんどないと知った。 |
وَلَوْ كَانَ ذَيَّالًا لَمَصَعَ بِهِ |
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もし尾が大きければ、尾で打ち払っただろうから。 |
وَقَالَ أَنْمَارٌ عَرَفْتُ أَنَّهُ شَرُودٌ لِأَنَّهُ كَانَ |
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アンマールは言った。私はそれがものおじすると知った。なぜなら |
يَرْعَى فِى ٱلْمَكَانِ ٱلْمُلْتَفِّ نَبْتُهُ ثُمَّ يَجُوزُهُ |
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草の繁茂したところで食べ、それからもっと草が少なくて |
إِلَى مَكَانٍ أَرَقَّ مِنْهُ وَأَخْبَثَ نَبْتًا فَعَلِمْتُ |
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悪いところへ移って行ったからだ、それでそれがものおじ |
أَنَّهُ شَرُودٌ |
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すると知った。 |
فَقَالَ لِلرَّجُلِ لَيْسُوا بِأَصْحَابِ بَعِيرِكَ |
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アフアーは男に言った。彼らはあなたのラクダを取って |
فَٱطْلُبْهُ |
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いない、(他を)探せ。 |
1 أتى の命令形(複数)は اِيتُوا だが、ف が先行するとこの形になる |
(4に続く)