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امرؤ القيس イムルウ・ル・カイス5
وَرَوَى ٱلْهَيْثَمُ عَنْ أَصْحَابِهِ أَنَّ ٱمْرَأَ |
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ハイサムが彼の師匠達から聞いて伝えたところによると、イムルウ・ル・カイス |
ٱلْقَيْسِ لَمَّا قُتِلَ أَبُوهُ كَانَ غُلَامًا قَدْ تَرَعْرَعَ |
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は父親が殺されたとき、既に成長した若者であり、 |
وَكَانَ بَنِى حَنْظَلَةَ مُقِيمًا لِأَنَّ ظِئْرَهُ كَانَتِ |
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ハンザラ部族のところに住んでいた。なぜなら彼の |
ٱمْرَأَةً مِنْهُمْ |
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乳母がその部族の女だったからである。 |
فَلَمَّا بَلَغَهُ ذٰلِكَ قَالَ |
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そのこと(父の死)が彼に伝わったとき、彼は詩を詠んだ。 |
يَا لَهْفَ هِنْدٍ إِذْ خَطِئْنَ1 كَاهِلَا |
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哀れなヒンド(彼の姉妹の名)よ、彼らはカーヒル部族を打ち損じた |
اَلْقَاتِلِينَ2 ٱلْمَلِكَ ٱلْحُلَاحِلَا |
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高貴な王を殺した者達を |
ٱلْأَبْيَاتُ |
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云々という詩句である。 |
وَقَالَ ٱلْهَيْثَمُ بْنُ عَدِىٍّ لَمَّا قُتِلَ حُجْرٌ |
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ハイサム・ブン・アディーは言った。フジュルが殺されたとき |
ٱنْجَازَتْ هِنْدٌ وَقَطِينُهُ إِلَى عُوَيْرِ بْنِ |
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ヒンドとフジュルの家来達はウワイル・ブン・シャジナ |
شَجِنَةَ فَقَالَ لَهُ قَوْمُهُ |
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のもとへ逃げた。 するとウワイルに部族の者が言った。彼らの財産を |
كُلْ أَمْوَالَهُمْ فَإِنَّهُمْ مَأْكُولُونَ |
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食べよ(巻き上げよ)。彼らは食べられるもの(いいカモ)だ。 |
فَأَبَى فَلَمَّا كَانَ ٱللَّيْلُ حَمَلَ هِنْدًا وَقَطِينَهَا |
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彼は拒否した。夜になると彼はヒンドと彼女の家来たちを運んだ。 |
وَأَخَذَ بِخِطَامِ جَمَلِهَا وَٱنْشَامَ بِهِمْ فِى لَيْلَةٍ |
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彼女のラクダのはづなを取って、彼らと暗い真っ黒 |
طَخْيَاءَ مُدْلَهِمَّةٍ |
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な夜の中にまぎれこんだ。 |
فَلَمَّا أَضَاءَ ٱلْبَرْقُ أَبْدَى عَنْ سَاقَيْهِ وَكَانَتَا |
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稲妻が光ったとき、彼の両足が見えた。それらは |
حَمْشَتَيْنِ فَقَالَتْ هِنْدٌ |
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きゃしゃであった。ヒンドは言った。 |
مَا رَأَيْتُ كَٱللَّيْلَةِ سَاقَىْ وَافٍ |
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私は今夜のように忠実な人の両足を見たことがありません。 |
فَسَمِعَهَا فَقَالَ |
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彼はそれを聞いて言った。 |
يَا هِنْدُ هُمَا سَاقَا غَادِرٍ شَرٍّ |
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ヒンドよ、それらは悪い裏切り者の両足です。(悪い気持ちを持ったことがある) |
فَرَمَى بِهَا ٱلنِّجَادَ حَتَّى أَطْلَعَهَا نَجْرَانَ |
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彼は彼女を高地へ導き、ナジュラーン(地名)まで登らせた。 |
فَقَالَ لَهَا إِنِّى لَسْتُ أُغْنِى عَنْكِ شَيْئًا وَرَاءَ |
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彼は彼女に言った。この場所より向こうでは私はあなたの何の役にも立たない。 |
هٰذَا ٱلْمَوْضِعِ وَهٰوُلَاءِ قَوْمُكِ وَقَدْ بُرِّئْتُ |
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ここの人達はあなたの部族だ。私はあなたの |
خُفَارَتِى |
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警護から解放された。 |
فَمَدَحَهُ ٱمْرُؤُ ٱلْقَيْسِ بِعِدَّةِ قَصَائِدَ |
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イムルウ・ル・カイスはいくつかの長詩で彼を称えている。 |
مِنْهَا قَوْلُهُ فِى قَصِيدَةٍ لَهُ |
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その中の、長詩の一つで次のように詠んでいる。 |
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أَلَا إِنَّ قَوْمًا كُنْتُمُ أَمْسِ دُونَهُمْ |
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昨日、あなたがたは、ある部族の前にいた。 |
هُمْ مَنَعُوا جَارَاتِكُمْ آلَ غَدْرَانِ |
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彼らは女達を保護することを断った 裏切り者の一族だ |
عُوَيْرٌ وَمَنْ مِثْلُ ٱلْعُوَيْرِ وَرَهْطِهِ |
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ウワイルと、ウワイルや彼の家族と同様の者達は |
أَبَرَّ بِمِيثَاقٍ وأَوْفَى بِجِيرَانِ |
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契約を守り、保護すべき者達を守った |
هُمُ بَلَّغُوا ٱلْحَىَّ ٱلْمُضَيَّعَ أَهْلَهُمْ |
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彼らは途方に暮れた部族をその一族のもとに導き |
وَسَارُوا بِهِمْ بَيْنَ ٱلْعِرَاقِ وَنَجْرَانِ |
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彼らを連れてイラクとナジュラーンの間を進んだ |
وَقَوْلُهُ |
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またこういう詩もある。 |
أَلَا قَبَّحَ ٱللهُ ٱلْبَرَاجِمَ كُلَّهَا |
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神がバラージム部族すべての者を醜くするように |
وَجَدَّعَ يَرْبُوعًا وَعَفَّرَ دَارِمَا |
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ヤルブーウ部族を傷物にし、ダーリム部族をほこりまみれにするように |
فَمَا فَعَلُوا فِعْلَ ٱلْعُوَيْرِ وَرَهْطِهِ |
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彼らはウワイルと彼の家族がヒンドの扉のもとに立って |
لَدَى بَابِ هِنْدٍ إِذْ تَجَرَّدَ قَائِمَا |
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一肌脱いだような行いをしなかったから |
1 主語はالخَيْلُ (馬の集合名詞=騎兵隊)などと考える
2 この定冠詞は詩の下半句の最初なのでハムザを発音する
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