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『詩歌の書』のイムルウ・ル・カイスの項から、彼の父フジュルの死にまつわる伝承の部分です。実際には色々な伝承がずっと続けて述べられていますが、ここでは伝承ごとに1から5に分けています。
امرؤ القيس イムルウ・ル・カイス1
وَذَكَرَ ٱلْهَيْثَمُ بْنُ عَدِىٍّ |
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ハイサム・ブン・アディーが言った。 |
أَنَّ حُجْرًا لَمَّا ٱسْتَجَارَ عُوَيْرَ بْنَ شِجْنَةَ |
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フジュル(イムルウ・ル・カイスの父)はウワイル・ブン・シジュナに自分の娘と従者の |
لِبِنْتِهِ وَقَطِينِهِ تَحَوَّلَ عَنْهُمْ |
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保護を求めた後、彼らを残して出発した。 |
فَأَقَامَ فِى قَوْمِهِ مُدَّةً وَجَمَعَ لِبَنِى أَسَدٍ |
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彼は部族を率いてしばらくとどまり、アサド部族に |
جَمْعًا عَظِيمًا مِنْ قَوْمِهِ |
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対して自分の部族から大軍を集めた。 |
وَأَقْبَلَ مُدِلًّا بِمَنْ مَعَهُ مِنَ ٱلْجُنُودِ |
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そして彼と共にいた軍隊を率いて威風堂々と進んだ。 |
فَتَآمَرَتْ بَنُو أَسَدٍ بَيْنَهَا |
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アサド部族は自分達の間で相談し合った。 |
وَقَالُوا وَٱللهِ لَئِنْ قَهَرَكُمْ1 هٰذَا لَيَحْكُمَنَّ |
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彼らは言った。神かけて、この男が我々を征服したら |
عَلَيْكُمْ حُكْمَ ٱلصَّبِىِّ |
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子供のように(気まぐれに)支配するだろう。 |
فَمَا خَيْرُ عَيْشٍ يَكُونُ بَعْدَ قَهْرٍ وَأَنْتُمْ |
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(彼の)征服の後で、良い生活とは一体どんなものだろう(ないであろう)。 |
بِحَمْدِ ٱللهِ أَشَدُّ ٱلْعَرَبِ فَمُوتُوا كِرَامًا |
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神のおかげで我々は最も強いアラブ人なのに。 だから、潔く死のう。 |
فَسَارُوا إِلَى حُجْرٍ وَقَدِ ٱرْتَحَلَ نَحْوَهُمْ |
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そして彼らはフジュルに向かって進んだ。 彼は既に彼らのほうへ出発していた。 |
فَلَقُوهُ فَٱقْتَتَلُوا قِتَالًا شَدِيدًا |
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彼らは彼と会い、激しい戦いをした。 |
كَانَ صَاحِبُ أَمْرِهِمْ عِلْبَاءَ بْنَ ٱلْحَارِثِ |
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彼らの事の中心人物はイルバー・ブン・ハーリスで、 |
فَحَمَلَ عَلَى حُجْرٍ فَطَعَنَهُ فَقَتَلَهُ |
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彼はフジュルを攻撃し、槍で突き、殺した。 |
وَٱنْهَزَمَتْ كِنْدَةُ وَفِيهِمْ يَوْمَئِذٍ ٱمْرُؤُ ٱلْقَيْسِ |
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(フジュルの)キンダ部族は敗走した。その日彼らの中に(フジュルの息子の)イムルウ・ル・カイスもいたが、 |
فَهَرَبَ عَلَى فَرَسٍ لَهُ شَقْرَاءَ وَأَعْجَزَهُمْ |
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彼は自分の栗毛の馬に乗って逃げ、アサドの人々は彼を捕えることができなかった。 |
وَأَسَرُوا مِنْ أَهْلِ بَيْتِهِ رِجَالًا وَقَتَلُوا |
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彼らは彼の家の人々の何人かを捕え、殺し、 |
وَمَلَأُوا أَيْدِيَهُمْ مِنَ ٱلْغَنَائِمِ وَأَخَذُوا جَوَارِىَ |
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自分達の手を分捕り品で満たし、フジュルの腰元や妻達 |
حُجْرٍ وَنِسَاءَهُ وَمَا كَانَ مَعَهُ مِنْ شَىْءٍ |
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や彼の所持品を取り、 |
فَٱقْتَسَمُوهُ بَيْنَهُمْ |
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自分達の間でそれを分配した。 |
1 2人称複数形の代名詞が使われているが、自分達のことを言っている。 |