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الحماسة ハマーサ詩集より 4 復讐の詩から

 この詩はタアッバタ・シャッラン作とされているが、実際にはخلف الأحمرハラフ・アハマルの作であると言われている。

إِنَّ بِٱلشِّعْبِ ٱلَّذِى دُونَ سَلْعٍ     لَقَتِيلًا دَمُهُ مَا يُطَلُّ

 

サルウ(地名)の手前の山道に殺された者がいる その血は復讐されずにはいないだろう

 

طَلَّ, طُلَّ

(どちらも使われる)復讐されずにいる

 

 

 

خَلَّفَ ٱلْعِبْءَ عَلَىَّ وَوَلَّى     أَنَا بِٱلْعِبْءِ لَهُ مُسْتَقِلُّ

 

彼はその(恨みをはらすという)重荷を私に残して去った 私は彼の重荷に耐えることができる

 

وَلَّى

逃げる 去る

اِسْتَقَلَّ

耐える

 

وَوَرَاءَ ٱلثَّأْرِ مِنِّى ٱبْنُ أُخْتٍ   مَصِعٌ عُقْدَتُهُ مَا تُحَلُّ

 

また私の恨みの後には甥がいる 彼は戦いを好み、その決意は解かれることはない

 

مَصِعٌ

好戦的な

عُقْدَةٌ

ここでは、決意のこと

 

مُطْرِقٌ يَرْشَحُ سَمًّا كَمَا أَطْــــــــــرَقَ أَفْعَى يَنْفِثُ ٱلسَّمَّ صِلُّ

 

彼は目を伏せているが毒を漏らす人間である 毒を吐くよこしまなマムシが目を伏せているかのようである

 

أَطْرَقَ

目を伏せる

أفْعى, أَفْعًى

 マムシ (m.にもf.にも使える)

صِلٌّ

よこしまな   أفعى にかかる

 

 

 

خَبَرٌ مَا نَابَنَا مُصْمَئِلُّ   جَلَّ حَتَّى دَقَّ فِيهِ ٱلْأَجَلُّ

 

一つの痛ましい知らせが我々に届いた その知らせは非常に重大なことで、どんな重大なこともこれに比べると小さい

 

نَابَ

(不幸な出来事などが)起こる

مَا

不定の意味を強める、または余分のもの

مُصْمَئِلٌّ

4語根動詞اِصْمَأَلَّ の能動分詞、厳しくある、耐え難いの意味。خَبَرٌ にかかっている。

本来はلٌّだが、脚韻がلُّなのでそれに合わせている。

جَلَّ

重大である

دَقَّ

小さくある、軽くある

 

بَزَّنِى ٱلدَّهْرُ وَكَانَ غَشُومًا     بِأَبِىٍّ جَارُهُ مَا يُذَلُّ

 

運命というのは非情なものであるけれど、それは私から誇り高き人を奪った 彼の隣人は卑しめられることがなかったのに

 

بَزَّ

~から~を奪う ここでは本来、بزنى الدهر أبيًاとなるはずのところで、このب は強調と言われている

دَهْرٌ

運命

أَبِىٌّ

誇り高い人

 

شَامِسٌ فِى ٱلْقُرِّ حَتَّى إِذَا مَا   ذَكَتِ ٱلشِّعْرَى فَبَرْدٌ وَظِلُّ

 

彼は、寒いときには太陽のように暖かく、シリウスが輝く夏になると涼しく、日陰である

 

قُرٌّ

寒いこと

ذَكَى

燃えるように輝く

اَلشِّعْرَى

シリウス(星)

 

 

 

يَابِسُ ٱلْجَنْبَيْنِ مِنْ غَيْرِ بُؤْسٍ   وَنَدِىُّ ٱلْكَفَّيْنِ شَهْمٌ مُدِلُّ

 

彼は貧しくはなかったけれど痩せていた そして二つの手のひらは濡れていた(気前が良かった)

そして賢くて自信満々だった

 

يَابِسُ ٱلْجَنْبَيْنِ

両脇が乾いている=痩せている

بُؤْسٌ

貧乏

شَهْمٌ

賢い

مُدِلٌّ

自信満々の

         

 

ظَاعِنٌ بِٱلْحَزْمِ حَتَّى إِذَا مَا   حَلَّ حَلَّ ٱلْحَزْمُ حَيْثُ يَحُلُّ

 

彼は決意を持って旅立つ 彼が留まるときは、いつもその場所に彼の決意も留まる(いつも決意と共に行く)

 

ظَعَنَ

旅立つ

 

 

حَلَّ

留まる 前のحَلَّは إِذَا の節の動詞で主語は「彼」、後ろのحَلَّはその帰結節の動詞で主語はالحَزْمُ

         

 

غَيْثُ مُزْنٍ غَامِرٌ حَيْثُ يُجْدِى   وَإِذَا يَسْطُو فَلَيْثٌ أَبَلُّ

 

人に利益を与えようと思うところでは、彼はいつも豊かな雨を降らす雲のようである

しかし、襲うとき、彼は獰猛なライオンのようである

 

غَيْثٌ

مُزْنٌ

雨雲

لَيْثٌ

ライオン

أَبَلُّ

獰猛な

 

مُسْبِلٌ فِى ٱلْحَىِّ أَحْوَى رِفَلُّ  وَإِذَا يَغْزُو فَسِمْعٌ أَزَلُّ

 

彼は郷においてはくちびる黒く、肉付き良く、ベールを下ろして安楽に暮らしているが、敵を襲うときには痩せた狼になる

 

أَسْبَلَ

(カーテンや幕を)下ろす

حَىٌّ

部落、部族、郷

أَحْوَى

くちびるが黒い

رِفَلٌّ

肉付きの良い

سِمْعٌ

子供の狼、狼とハイエナの雑種

(耳が鋭い)

أَزَلُّ

痩せた

 

وَلَهُ طَعْمَانِ أَرْىٌ وَشَرْىٌ     وَكِلَا ٱلطَّعْمَيْنِ قَدْ ذَاقَ كُلُّ

 

彼は二つの味(性質)を持つ 一つは蜜であり、一つはコロシント どちらの味をもすべての人が味わっている

 

أَرْىٌ

شَرْىٌ

コロシント 瓜の一種、苦い

 

يَرْكَبُ ٱلْهَوْلَ وَحِيدًا وَلَا يَصْـــــــــــــحَبُهُ إِلَّا ٱلْيَمَانِى ٱلْأَفَلُّ

 

彼は刃こぼれのしたイエメン製の刀のほかに何も身に着けるものなく、一人で恐怖に乗り行く

 

يَمَانٍ

ここでは、イエメン製の刀

أفَلُّ

刃こぼれのした

 

وَفُتُوٍّ هَجَّرُوا ثُمَّ أَسْرَوْا     لَيْلَهُمْ حَتَّى إِذَا ٱنْجَابَ حَلُّوا

 

(敵の)多くの若者達は炎天下を行き、夜になれば進んで行く やがて夜の闇が裂けると休息する

 

وَ

رُبَّ(多くの~)の意味のو 属格が続く 普通は単数形の名詞が続くが、ここでは大勢の感じを

出すためと、韻律のため複数形が使われている

فُتُوٌّ

فَتًى のpl.  若者

هَجَّرَ

炎天下を行く

أَسْرَى

夜に行く

اِنْجَابَ

裂ける、雲や霧が晴れて明るくなる

حَلَّ

留まる

 

 

 

كُلُّ مَاضٍ قَدْ تَرَدَّى بِمَاضٍ     كَسَنَا ٱلْبَرْقِ إِذَا مَا يُسَلُّ

 

皆、鋭い若者達であり、引き抜いたとき稲妻のきらめきのような刀を身に帯びている

 

مَاضٍ

鋭い、刀

تَرَدَّى بِـ

~を身に着ける

سَنًا

きらめき、ひらめき、光

سَلَّ

(刀を)抜く

 

فَٱدَّرَكْنَا ٱلثَّأْرَ مِنْهُمْ وَلَمَّا      يَنْجُ مِلْحَيَّيْنِ إِلَّا ٱلْأَقَلُّ

 

我々は彼らに復讐を遂げた 両部族のうち、きわめてわずかの者しか逃れることができなかった

       (この詩句は唐突に入っているので、後から付け加えられたと言われている。もっと後ろに入れた方が良い)

اِدَّرَكَ

Ⅷ. (目的を)遂げる

لَمَّا

(後に要求法が続く) まだ~していない

مِلْحَيَّيْنِ

مِنَ ٱلْحَيَّيْنِ 両部族のうち

 

 

 

فَٱحْتَسَوْا أَنْفَاسَ نَوْمٍ فَلَمَّا     ثَمِلُوا رُعْتَهُمُ فَٱشْمَعَلُّوا

 

彼らは睡眠をすするようにうつらうつらした 彼らが酔ったときあなたは彼らを脅かした すると彼らは一目散に逃げ出した

 

أَنْفَاسٌ

نَفَسٌ のpl. 飲み込むこと

ثَمِلَ

酔う

رُعْتَ

رَاعَ 脅かす

اِشْمَعَلَّ

急いで出発する

 

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حَلَّتِ ٱلْخَمْرُ وَكَانَتْ حَرَامًا     وَبِلَأْىٍ مَا أَلَمَّتْ تَحِلُّ

 

酒(禁酒の誓い)は解放された 今までは禁じられていたのであったが 辛うじて酒はまさに許されんとしている

 

بِلَأْىٍ مَا~

苦労をもって、辛うじて ~する

أَلَمَّ

كَادَ と同じ まさに~するところだ

 

فَٱسْقِنِيهَا يَا سَوَادَ بْنَ عَمْرٍو     إِنَّ جِسْمِى بَعْدَ خَالِى لَخَلُّ

 

だからサワーダ・ブン・アムル(身内か手下の名)よ、私についでくれ まことに私の体はおじが死んだ後、痩せ衰えている

 

يَا سَوَادَ

本来は يَا سَوَادَةُ

خَلٌّ

痩せ衰えた

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